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おからだから

2013.03.29.23:42

「もう別れよう」

彼女は震える声で僕にそう言った。

「なっ…なんで?急になんだよ、俺何かした?ねえ?」

彼女の急な言葉に何がなんだかわからなくなり、僕はいつもと違う強い口調で彼女に詰め寄っていた。

「違うよ、私なの私が悪いの…私がこんな女だから」

彼女は僕以外の男と肉体関係を持ったのだ。


そう思い込んだ僕は激情にかられ、彼女のこめかみを殴りつけた。

ぐずり

僕の右拳が彼女のこめかみに埋まる。
僕の拳が突き刺さったことにより、こめかみから彼女の体の一部が
ボロボロとカーペットにこぼれ落ちた。

「あっ…ごめ…」
右手に纏わり付いた彼女の一部を見た瞬間僕は我に帰った。

彼女の話もちゃんと聞かずにこんな…なんで僕はいつもこうなんだ。
僕が彼女にかける言葉を探していると…

「ね?」

彼女が言った。

「私…こんなだから…大ちゃんにふさわしい女じゃないから!!

私!!

わたし!!!

おからだから!
「おからだから!!」

雪花奈(おから)の雪は目とこめかみからボロボロとおからをこぼしている。

「なんだよ今さら、ずっと一緒にやってきたじゃないかよ雪…何で今そんな事
言うんだよ」

「大ちゃん私ね、「搾りかす」なんだよ、お父さ…あの男の…
お母さんを散々絞り尽くして、生まれた私を搾りかすだって罵ったあの男の!」

「私今まで、そんな私でも良いって言ってくれた大ちゃんに甘えすぎてたって気づいたの
…そんな優しい、大好きな大ちゃんの隣に汚い搾りかすの私が居ちゃダメなんだよ!」

「忘れよう忘れようと思ったけど、私の中にある
脳の記憶力を高めるレシチンがそれを許してくれないの!!だからもう…」

その場にへたり込んだ雪は、今にも全身が崩れてしまいそうだった。

「そんなお前でも良い?…俺はそんな事言った覚えないぞ」

「……」
その言葉を聞いた瞬間、雪の肩がピクリと動いたが、そこから雪は言葉を発しなかった。

「お前だから…だ」

もう一度雪の肩が動く。

「おからだからじゃない!俺はお前だから一緒にいたいんだ!!」

そう言うと大は雪の身体を包み込むように抱きしめた。
「昔のことが忘れられないならそれでもいい、おまえをもう苦しませないなんて言えない
、でも

お前がボロボロになったときいつだって俺はこうして固めてやる」


「それじゃ 足りないか?」

雪はブンブンと首を降る。

激しく首を振っても、おからの雪からは豆乳は出なかった。

それでも良いと雪は思った。

豆乳が出る変わりに身体が崩れるだけだけど、その度に大ちゃんの愛を感じられるならと…

それだけで私は幸せだ

私は

おからだから。

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